10-1;基礎・内分泌
解剖
- 子宮;長さ7cm。卵巣;長さ3〜5cm。幅1.5〜3cm。卵管;長さ10〜15cm。
生理
女性ホルモン
- エストロゲンは元来、ネズミに発情(estrus)を起こすホルモンとして名付けられた。
- 生物活性が最も高いのが17β-エストラジオール(E2)である。
- エストリオール製剤(エストリール)は子宮内膜や乳腺に受容体を持たない。
月経
- 思春期に月経が正常である人は30〜50%に過ぎない。初経後、半数以上の人が、6ヵ月以上周期の不順な時期を過ごす。
- 月経痛は約60%の人が経験する。
多のう胞性卵巣症候群(PCOS)
- 生殖年齢女性の5〜8%に発症。月経異常は不妊の主要原因の一つ。アンドロゲン過剰、LH高値、卵巣の多のう胞性変化、肥満、男性化などの多彩な症状を伴う。
- 従来は視床下部ー下垂体ー卵巣系の異常による悪循環サイクルによって病態が説明されていた。近年はインスリン抵抗性も重要視されている。病態を一元的に説明するのは難しく、遺伝や環境など複合的な因子によって発症すると考えられている。
- 診断基準は2007年に日本産科婦人科学会が示した1)月経異常(無月経、希発月経、無排卵周期症など)、2)多のう胞卵巣、3)血中男性ホルモン高値、あるいはLH基準値が高値、かつFSH基礎値が正常などである。